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無脳児と脊椎破裂の胎児スクリーニング
著者: 竹内久彌1
所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科学
ページ範囲:P.475 - P.475
文献購入ページに移動 胎児が無脳児や脊椎破裂のような神経管欠損を伴うときに母体血清中のαフェトプロテイン(AFP)が高値を示すことは,1972年に北大の日野らが注目して以来,すでに多くの報告で証明されている。そこで,これをスクリーニング検査の方法として利用できないものかと,英国ではこれを検討するための研究班が組織され,データが蒐集された。その報告書(Lancet,1:1323,1977)によると結果は次のようであった。
妊娠10週から24週までの間の母体血清AFPを神経管欠損のない18,684例の単胎と163例の双胎,および神経管欠損のある301例の単胎についてradioimmunoassayで測定した。神経管欠損児を母体血清AFP値から見つけるのに最も適当な時期は妊娠16〜18週であり,無脳児の88%,脊椎破裂の79%,正常単胎児の3%が正常中央値の2.5倍かそれ以上の値を示しいた。初回検査でボーダーラインにあると思われる例については再検することで2.5倍以上の異常例の数を1/3に減らすことができるという。結局,妊娠16〜18週で血清AFP値が正常中央値の2.5倍以上であるときは,英国ではほぼ1/20の確率で開放性脊椎破裂の,1/10の確率で何らかの型の神経管欠損の胎児を宿していると考えられることになる。
妊娠10週から24週までの間の母体血清AFPを神経管欠損のない18,684例の単胎と163例の双胎,および神経管欠損のある301例の単胎についてradioimmunoassayで測定した。神経管欠損児を母体血清AFP値から見つけるのに最も適当な時期は妊娠16〜18週であり,無脳児の88%,脊椎破裂の79%,正常単胎児の3%が正常中央値の2.5倍かそれ以上の値を示しいた。初回検査でボーダーラインにあると思われる例については再検することで2.5倍以上の異常例の数を1/3に減らすことができるという。結局,妊娠16〜18週で血清AFP値が正常中央値の2.5倍以上であるときは,英国ではほぼ1/20の確率で開放性脊椎破裂の,1/10の確率で何らかの型の神経管欠損の胎児を宿していると考えられることになる。
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