icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻7号

1978年07月発行

新しい視点をさぐる 放射線診療のBlind Spots

X線骨盤計測の要領とその注意点

著者: 荒木日出之助1

所属機関: 1昭和大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.497 - P.500

文献概要

 X線骨盤計測にはいろいろな方法があるが,いかなる方法をとるにせよ方法論的に正しく撮影されたフィルムから骨盤の大きさ,形および胎児像を正確に読みとり,その相互関係を正しく判定しなければ何らの価値もないばかりでなく,かえって有害であるといっても過言でない。すなわち,本法は常に胎児の全身被曝という犠牲をはらわざるを得ないものであり,かつ歪んだ体位で撮影された骨盤像の計測点は不鮮明であるばかりでなく,フィルム像上で曖昧に「この点」と定め得たとしても,それは実際よりかなりはずれた点となり,計測値に大きな誤差を生ずる。その結果はいうまでもなく,判定を誤り,経腟分娩可能なものをはじめからCPDとして無用の帝王切開を行なったり,反対にCPD発生のおそれのあるborder—line caseで厳重な監視のもとで試験分娩を試みなければならないものをCPDのおそれなしとして安易に取り扱い,母児に重大な障害を与えたりするからである。
 今回の本誌の企画はBlind spotsということであるのでX線骨盤計測に関する一般的事項は他誌にゆずり,とかく見落しやすい点,とくに注意すべき点,X線像判読の要領などについて記述する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら