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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻7号

1978年07月発行

トピックス

未破裂黄体化卵胞症候群

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産婦人科学

ページ範囲:P.517 - P.517

文献概要

 生殖生理学の進歩の中で,何といってもホルモンの測定法や内視鏡の発達でそのものを動的に観察する技術に負うもの以外にはみあたらない。
 排卵は生殖(リプロダクション)の上で基本的な現象であるが,また女性化を形成する上でも重要な現象である。臨床的にこの現象をつかむには,基礎体温が2相性を示し,子内膜が分泌期像を有し,血中proge—sterone値の上昇,尿中pregnanediol値の高値を示すなどの所見が必要であるとされる。このような排卵した卵巣を内視鏡などで観察すると,基礎体温の上昇した2〜5日後では,卵巣の表面には血管が怒張し,その周辺には1〜2mmくらいの卵胞が破裂したいわゆるstigmaがみられ,その下には血液の集塊をなしたcor—pus hemorrhagicumが形成されている。しかし,中には黄体の表面が平坦で卵胞が破裂したstigmaがみられず,その中に黄体が存在していることがある。このように排卵がみられないにも拘らず黄体が形成されるような卵胞に対し,Jewelewicz1)は"luteinized unruptured follicle"(未破裂黄体化卵胞)と定義したがその頻度など詳細な報告はなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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