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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻7号

1978年07月発行

文献概要

症例

絨毛上皮腫脳転移の1例—とくに脳内出血に対する外科治療について

著者: 松島俊夫12 萬納寺洋道12 上野幹雄1 渡木報彦3

所属機関: 1国立下関病院 脳神経外科 2現在九州大学脳神経病研究施設 外科 3国立下関病院 産婦人科

ページ範囲:P.523 - P.526

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 絨毛上皮腫の転移は大半が血行性で,強い血管親和性を有し,局所の血管壁を侵蝕する。そのため本腫瘍の脳転移例の中には,急激な脳血管障害として発症する症例も多く,他の転移性脳腫瘍と比べ特異な臨床像を呈する。したがって,この種の絨毛上皮腫脳転移例の治療は,他の転移性脳腫瘍と区別して考える必要がある。
 われわれは,前後2回の脳内血腫除去術と,術後化学療法を行なうことにより,視力障害と軽度の右不全麻痺を残してはいるが,神経症状発現後2年の現在,介助なしに日常生活を送っている絨毛上皮腫脳転移例を経験した。ここにその症例を報告するとともに,若干の臨床病理的考察を加え,手術適応について検討したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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