icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻8号

1978年08月発行

新しい視点をさぐる リプロダクションと母体適応

胎児の発育をめざす母体代謝

著者: 森憲正1

所属機関: 1宮崎医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.547 - P.550

文献概要

 妊婦は顕微鏡的大きさの受精卵から約10ヵ月間に3kg以上に発育する胎児を子宮内に保持し,胎盤を介して栄養を供給しなければならない。胎児が母体の栄養状態を考慮することなく,ある程度の自律性をもって発育していることは臨床的にもよく知られている。
 妊娠時母体の低栄養状態でも摂取栄養素は優先的に胎児に利用され,とくに胎仔脳の発育は正常の母体栄養状態と変わるところがないといわれる1)。この場合栄養不足分は母体の消耗で補われている。栄養不足あるいは正常の状態でも胎児発育を優先されるように,母体は量的,質的に妊娠性変化を行ない,胎児発育に備えているものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら