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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻9号

1978年09月発行

新しい視点をさぐる 診断のテクニック

C.P.D.診断技術の進歩

著者: 馬島秀泰1 金子享一1 上田真1 伊藤誠1 広田穣1

所属機関: 1名古屋保健衛生大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.651 - P.653

文献概要

 産科医が妊婦の管理上重要な任務の一つに,その妊婦の骨盤が正常な分娩に十分であるかどうかを判断する能力があげられると思う。学生時代に受けた骨産道の講義の古典的平面系やHodgeのいう平行平面系,そして外計測による大骨盤腔の外側の計測などは,いかにも理路整然としたものだと感じていたが,実際に数多くの臨床をみていると,必ずしも従来からいわれてきた狭骨盤の概念は的を得ているとはいえない。1900年頃から産科領域でのX線による骨盤計測が行なわれはじめているが,これらはすべて骨盤経線の長短,骨盤形態の分類であって生まれてくる胎児の大きさは度外視されていた。しかし骨盤が小さい母体からは小さな児が娩出され,大きな骨盤の母体からはそれに似合った大きな児が娩出される。極言すれば,小人は小人といった現実があることをご存知のことと思う。そこで近代産科学は,分娩の予後を決定する要素として産道の広さ(space),娩出力(force)のほかに胎児の大きさ(size)という考えを導入してきたし,さらに胎児の胎位,胎向の問題,児頭の応形機能などの問題が生じ,従来いわれてきた狭骨盤という概念が批判され,児頭骨盤不適合(ephalopelvic disproportion C.P.D.)という概念が発生してきたと思う。以下C.P.D.の診断技術の進歩について述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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