臨床婦人科産科32巻9号

1978年09月発行

トピックス

Meconium Aspiration Syndrome　（MAS）と児の予後

著者： 広井正彦¹

所属機関： ¹山形大学医学部産婦人科学

ページ範囲：P.682 - P.682

文献概要

　胎児の切迫仮死の中で，羊水がメコニウムで汚染され，黄染しているものがある。一般にはこのような症例は全分娩の8〜10％にみられ，中にはメコニウムにより胎児皮膚も黄染し，胎児が大量の羊水を吸引し，生後も呼吸障害を起こし，重篤の場合には死亡することがある。
　このようなメコニウム吸入症候群（Meconium Aspiration Syndrome：MAS）について今日まで多くの報告をみるが，この児の予後に関して必ずしも十分な情報は得られていなかった。そこでMarshallら^1）はMASは