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実地臨床手技のエッセンス 血液と体液のサンプリング
リンパ球採集法
著者: 宮本宏1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部放射線医学教室
ページ範囲:P.29 - P.32
文献購入ページに移動 免疫学の進歩に伴って,生体における免疫反応の主体をはたしているのが,リンパ球であることが次第に明らかにされ,多角的に各分野で研究されている。このようにリンパ球をもとにした研究については,純度の高い100%viableなリンパ球を数多く集めることが必要である。
リンパ球を分離採集する方法は1954年Agra—noff1)らが比重の異なったAlbumin solutionを加えてリンパ球をかなり純粋に分離することに成功はしたが,リンパ球のviabilityは零であったとの報告がある。その後Ottesen9)らが実用にたるリンパ球の分離を行なったが満足すべきものでなかった。本格的にリンパ球の分離採集が可能になったのは1960年代になってからで,Brent3),Gray4)らのiron powderの使用,Greenwalt5)らのNylon fiber columによる分離の成績の良いことが報告される様になった。われわれ7)も1966年Nylon fiber columを入手し,リンパ球の分離を試みた所非常に良い結果を得たが,カラム作成上の問題点,時間が長くかかりすぎる等の欠点があった。辻13)は,Δ10 fiber columを作成し,ナイロンカラムの改良でその欠点を補った。しかしリンパ球の顆粒球,単球に比べ粘着性の少ない性質を利用したこれらの方法もリンパ球の回集率に難点がある。
リンパ球を分離採集する方法は1954年Agra—noff1)らが比重の異なったAlbumin solutionを加えてリンパ球をかなり純粋に分離することに成功はしたが,リンパ球のviabilityは零であったとの報告がある。その後Ottesen9)らが実用にたるリンパ球の分離を行なったが満足すべきものでなかった。本格的にリンパ球の分離採集が可能になったのは1960年代になってからで,Brent3),Gray4)らのiron powderの使用,Greenwalt5)らのNylon fiber columによる分離の成績の良いことが報告される様になった。われわれ7)も1966年Nylon fiber columを入手し,リンパ球の分離を試みた所非常に良い結果を得たが,カラム作成上の問題点,時間が長くかかりすぎる等の欠点があった。辻13)は,Δ10 fiber columを作成し,ナイロンカラムの改良でその欠点を補った。しかしリンパ球の顆粒球,単球に比べ粘着性の少ない性質を利用したこれらの方法もリンパ球の回集率に難点がある。
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