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体外受精—その基礎と実際
著者: 鈴木秋悦1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.741 - P.752
文献購入ページに移動 体外受精の研究は,生殖生物学の長い歴史にあって,常に,中心的な課題として多くの生物学者の挑戦を受けてきた。1963年に,卵子研究における第1人者であるAustinが,「体外受精の研究は,受精のメカニズムを明らかにするだけでなく,受精の阻止法の発見につながり,ひいては,発生異常すなわち先天異常発現防止への基礎的研究の土台となる」として,その研究の重要性を強調したが,その後15年を経過して,1978年に,ついにSteptoe & Ebwardsによって,体外受精児第1号の誕生となった。Steptoe & Edwardsは,その方法上の詳細については,2,3の学会で簡単に報告しただけで全貌を明らかにしていない。体外受精の方法上の問題は,とくに複雑な器具を必要とするものでもなく,ヒトの体外受精法が,すでに多くの報告がなされている動物についての方法と異なるものでもないが,臨床的な応用となると安全性が要求されることから,不妊婦人への応用については時期尚早という意見もある。
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