文献詳細
指標
月経発来と思春期のホルモン変化
著者: 矢内原巧1 大沼靖彦1 中浜之雄1 大野秀男1 金沢元美1 橋野正史1 荒木日出之助1 中山徹也1
所属機関: 1昭和大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.821 - P.830
文献概要
性腺ホルモンの分泌とその作用はすでに胎生期初期より行なわれ,内外性器の男性型,女性型への分化を誘導し,それは睾丸より分泌されるan—drogenによるものといわれる。また,胎児期の血中FSH値が妊娠中期までは女子で男子より高値であることから,中枢のfeedback機構も存在していると思われる1)。胎生期に続く新生児期では血中testosterone値に性差があり,男児では生後5ヵ月まで女児に比べ高く2),この性腺ホルモンが将来の性成熟後の男女差に何らかの生理的意義をもつと考えられる。この時期でのFSH値に関する報告では3)生後1ヵ月より1歳まで女児血中値は男児より有意に高い。新生児期に続く小児期では従来より性腺はほとんど機能が停止状態にあり下垂体,性腺ホルモンには男女差もないといわれる。
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