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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科33巻2号

1979年02月発行

実地臨床手技のエッセンス 輸血と全身管理

輸血ひとくちメモ

安全な輸血のために—過誤による不適合輸血をさけるために

著者: 寺尾俊彦1

所属機関: 1浜松医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.102 - P.102

文献概要

 人の血液型はABO,Rh,MN,Lewis,Duffy,P,Kell,Kiddなど数多くの種類が知られており,また,さらに主要組織適合抗原(HLA)も考慮するとその組合わせは無限に近い。輸血も臓器移植の一種であり,可能なかぎり適合したものを輸血せねばならない。
 不適合輸血のもつ意味は広く,医学が進歩するとともにその範囲が広がっていくともいえる。新しい血液型の発見,輸血既往や妊娠による抗体産生の機序が明らかにされるにつれ,適合輸血はより厳格な意味を要求されるようになった。輸血する場合には,単に輸血する時点で副作用がなければ良いというだけではなく,あとになっても障害のない輸血を心がける必要がある。たとえばRhDやEの不適合輸血による不規則抗体産生に対する配慮はもちろんのこと,再生不良性貧血の出血に対し,長期間血小板輸注を行なう場合に抗血小板抗体,HLA抗体産生による治療効果の低下という面などにも配慮し,HLAを含む広い意味での適合した輸血をしなければならない。しかしながら,ここでは,もっと基本的なレベルにおける不適合輸血,すなわち過誤による不適合輸血に焦点を絞って述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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