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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科33巻3号

1979年03月発行

文献概要

原著

妊娠母体・胎児・新生児におけるreverse T3ならびに3,3’—T2の測定

著者: 杉本充弘1 神保利春1 水野正彦1 坂元正一1 長滝重信2

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室 2東京大学医学部第3内科学教室

ページ範囲:P.219 - P.225

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 血中の甲状腺ホルモンとしてはthyroxine (T4)と3,5,3'—triiodothyronine (T3)とがあるが,このうちT4は甲状腺で合成され,血液中に分泌される。また,T3はその20%はT4とともに甲状腺で合成・分泌されるが,80%は分泌されたT4が末梢組織で脱ヨード化deiodina—teされて生じたものと考えられている1)。 T3は生物学的活性を有し,T4のphenolic ringの5'の位置のdeiodi—nationにより生じたものである。しかし,最近,T4のnonphenolic ringの5の位置のdeiodinationにより生ずる3,3',5'—T3(reverse T3,rT3)のRIAが可能となり,生体内に存在することが明らかとなった2)。このrT3は,大部分末梢でのT4のdeiodinationにより生ずることがわかってきた。すなわち,甲状腺から分泌されたT4は末梢でT3あるいはrT3に転換するが, T3が強い甲状腺ホルモン活性を有するのに対し,rT3は生物学的活性をもたない。
 最近,呼吸器や消化器など甲状腺以外の疾患3),Ano—rexia Nervosa4,5),飢餓6)などの病態においてT3が低値を示すことが報告されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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