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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科33巻5号

1979年05月発行

臨床メモ

子宮収縮剤と合併症妊婦

著者: 佐藤直樹1

所属機関: 1帝京大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.372 - P.372

文献概要

 Oxytocinやmetherginなどの子宮収縮剤は,弛緩出血や子宮内容除去術時の出血をcontrolするために汎用されている薬剤であるが,一方これらの副作用,特に血液動態に及ぼす影響についても多くの報告がある。例えば,metherginは,血圧を上昇させるので高血圧を合併した患者に使用するのは禁忌とされている。しかし,これらの報告の大部分は,体循環系に関するもので,産科的にはむしろ肺循環系の合併症が多く,この点についての知見は少ない。
 最近,Secher,N.J.らは,oxytocin(Syntocinon)とmetherginの体循環系と肺循環系に与える作用を詳細に分析している。子宮収縮による血液動態の変化を除外するため,すべて妊娠10〜12週に子宮内容除去術をうけた患者9名を対象にしている。5〜10単位のoxytocinを単独静注すると,股動脈圧および末梢循環抵抗は,静注30〜40秒後,それぞれ約40,60%低下し,心拍出量と脈拍は逆に約54,31%増加する。これに対し,肺動脈圧は静注後150秒で約33%上昇し,肺末梢抵抗は,約44%減少する。一方,同量のoxytocinを点滴静注したときはこれらのいずれにも変化は見られなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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