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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科33巻5号

1979年05月発行

薬の臨床

新しいラテックス凝集法による低単位HPL測定法(ゲステフォローH)とこれを用いた妊娠初期のHPL値の動態

著者: 橋詰晴敏1 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.403 - P.406

文献概要

 ヒト胎盤性ラクトゲン(Human Placental Lactogen)HPLは主として胎盤より産生されるホルモンで,Spel—lacy1)以来胎盤機能の検査として有用であるといわれてきている。このホルモンの測定にはRadioimmunoassay(RIA)による報告が多い2〜4)。しかしRIAによる測定は手技にも煩雑のうえに時間もかかるためにいかなる臨床機関でも直ちに応用することは困難であった。
 そこで近年hemoagglutination Reaction (HAR)を応用した簡易定量法が検討され,臨床的にも十分意義あることが認められ,産科診療のうえでHPLの胎盤機能検査法としての意義は大きくなってきている。しかしHPLは測定感度などの問題より妊娠後半期の妊婦管理に有用視されている報告5)が多い。妊娠初期の胎児環境を知る方法として主として尿中または血中のHCGの測定や超音波などがルチンに用いられているが,他の胎盤由来の物質の測定にはRIAによるところが多く,臨床検査法として不適当なことが多かった。とくに妊娠初期のHPL測定については,RIAにて谷沢2),蜷川6),Dudenhausen7),Towler8),Kunz9)らの,HARにて秋本10),永井11)らの報告があり,妊娠初期よりHPL値は切迫流産の予後判定との間に意義があるのではないかと述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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