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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科33巻6号

1979年06月発行

原著

月経時における末梢血の凝固線溶系の変動について

著者: 雨宮章1 小林宏基1 大塚博光1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学産婦人科

ページ範囲:P.479 - P.483

文献概要

 性成熟期にある女性では,卵巣から分泌される性ステロイドホルモンの変化によって性周期が形成され,それに起因して血液の凝固系および線溶系が微妙に変化し,とくに消退性出血が現われる月経時にその変化は著しいことが推定される。さらに,月経は子宮腔内に出血した血液がPlasminによって溶解されて月経血となって流出してくる1)ことを考えると,子宮腔内に起こった局所線溶が全身の末梢血に対してかなりの影響を与えていることが考えられる。
 月経時に起こる血液凝固系および線溶系の変動を把握することは,過多月経などの月経異常への対策,出血性血液疾患の月経時における増悪傾向への対策,そして月経時に行なう手術の際にみられることのある出血量の増加傾向などに対する臨床的対策を考えるうえの重要な根拠となるであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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