icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科33巻7号

1979年07月発行

文献概要

指標

Sex steroid binding (plasma) protein (SBP)—その生理的意義と病的動態

著者: 田部井徹1

所属機関: 1国立病院医療センター産婦人科

ページ範囲:P.501 - P.510

文献購入ページに移動
 血液中に溶けこんでいる多くの物質,たとえば抗生物質,ビタミン,薬物,あるいは脂肪代謝物などは血清蛋白と結合して全身の血管内を循環している。これらの物質と同様に,分子量の比較的小さいホルモンも血清蛋白と特異的に結合していることが判明してきた。よく知られているのは,甲状腺ホルモンと結合するThyroxine binding globulin (TBG),および副腎皮質ステロイドホルモンと結合するCorticosteroid binding globulin(CBGまたはTrancortin)の二種である。しかし,下垂体前葉ホルモン,上皮小体ホルモン,あるいは膵ホルモンなどと結合する血清蛋白は知られていない。
 最近,血液中のestradiolやtestosteroneなどの性ステロイドホルモンと特異的に結合する血清蛋白が,β—globulin分画に存在することが判明し,Sex steroid binding protein (SBP),性ステロイドホルモン結合蛋白と命名され,注目されている1)。一般に,血中のホルモンは,血清蛋白と遊離した形でのみ生理活性が出現し,蛋白と結合すると活性が低下するといわれる。さらに,蛋白と結合すると水溶性が増加し,血清に溶解しやすくなるために血液による輸送が容易となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?