icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科33巻8号

1979年08月発行

実地臨床手技のエッセンス 分娩管理へのアドバイス

帝王切開

著者: 藤原敏郎1 林知節2

所属機関: 1大阪北野病院産婦人科 2天理病院産婦人科

ページ範囲:P.613 - P.616

文献概要

 従来は,経腟分娩こそ産婦人科医の腕の見せどころという考え方もあったと思うが,必要なときにはそれにこだわることなく,いさぎよく帝切に踏みきるべきであり,われわれはここ何年間か鉗子手術は経験しておらず,吸引分娩か帝切のみである。吸引分娩では不能でも鉗子では分娩可能という例も当然あるが,そのような例に鉗子分娩を行なうのが良いか帝切の方が良いかということも当然考えねばならない。従来の出口鉗子は,吸引分娩におきかえられるとすれば,鉗子を必要とするのは,高位鉗子その他特別の鉗子手術であり,これは経験によれば児の予後に対して問題が多すぎる。したがって近年帝切の頻度が増加していることは当然のことであり,国内はもちろん国外においても同じ傾向である。最近一般の生活設計のありかたや分娩に関する医事紛争のことなどが一層その傾向を助長していることも否めない。
 帝切は始めから終わりまで視覚下で習熟させられるのに対して,鉗子手術の習熟にはファントームの使用によっても粗雑であり,シミュレイターのようなものが考案されなければ鉗子手術を教えることのできる医者も減ってしまうことも考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら