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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科34巻1号

1980年01月発行

文献概要

FIGO TOPICS 私が感銘を受けた講演

腹腔鏡下における手術/子宮頸部初期浸潤癌の切除範囲

著者: 福島峰子1

所属機関: 1秋田大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.69 - P.69

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Surgical therapeutic pelviscopy
 産婦人科学の全領域を網羅しての祭典であったが,12の部屋ならびに展示会場に分かれて同時進行であったため,私は主として内分泌関係,内視鏡関係に限定せざるを得なかった。
 まず内視鏡関係ではKiel大学K.Semm教授(西独)の腹腔鏡下の手術が圧巻であった。私どもも骨盤腔鏡(クルドスコープ,ラバロスコープ)を観察一診断にとどめず,同時に手術へ拡大して行なっているが,Semm教授は今や産婦人科手術の70%をラバロスコープ下に行ない,その数は5000例以上に及ぶが,合併症もなく良い結果を得ている。卵管結紮は900例以上施行し,妊娠例は1例もない。安全への配慮,止血法,大きな腫瘍の縮小化などのため,いろいろな器具の開発を行なっている。今回とくに強調されたのはガスは主としてCO2を用いること,電気凝固はゆで卵の原理で100度でゆっくり凝固させる。これで周辺臓器に間違って火傷を与えたことは一度もないという。crocodile forcepsまたはpoint coagulatorを使い,その後で凝固部を切除する。loopli—gatureで結紮もでき,出血の心配もない。それから筋腫のような充実性のものを剔出するときはtissue puncherで鰹節をけずるように器具内に組織をけずり圧縮しておさめて引き出す。これらを繰り返す……

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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