icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科34巻1号

1980年01月発行

文献概要

症例

子宮体部原発性mesonephric carcinomaの細胞診と組織診

著者: 松永功1 井庭信幸1 岩成治1 梶谷直弘1 北尾学1

所属機関: 1島根医科大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.75 - P.79

文献購入ページに移動
 1903年Meyer1)により,子宮頸部の中腎腫mesone—phromaが報告されて以来,その名称,組織発生論などに関する論議がなされ,mesonephric carcinomaに関して,いまだ統一見解がないのが現状である。1939年Schiller2)は,胎生期の中腎のglomeruloid structureと類似し,その構成細胞にhobnail cellを有する卵巣腫瘍を報告した。これは一般的にmesonephromaのSchil—ler typeと呼ばれている。さらにSaphirら3)は,1944年に腎のhypernephromaに類似するホルモン活性を示さない2例の卵巣腫瘍をadenocarcinoma clear cells(hypernephroid)として報告した。clear cell patternを示し,hobnail cellを認めるものをmesonephromaのSaphir typeとされている。またNovakら4)は,Schiller typeとSaphir typeとには共存する組織像があり,中腎・後腎性起源説を唱えmeso-metanephric rest tumorと報告した。一方Teilum5,6)はSchiller typeとSaphir typeは別の腫瘍とし,germ cell originを提唱してendodermal sinus tumorと呼んでいる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?