文献詳細
原著
進行子宮頸癌における旁大動脈リンパ節照射の個別化と照射法
著者: 荻野雅弘12 高野敦1 小出保爾1 宮川昇1 村上章1 鈴木明美1 園田稔1 渡辺千冬1 植田国昭1 松田忠義3 竹川鉦一3
所属機関: 1都立駒込病院産婦人科 2現:帝京大学医学部産婦人科学教室 3都立駒込病院放射線科
ページ範囲:P.939 - P.943
文献概要
また,放射線治療後骨盤内再発が認められないにもかかわらず,死亡した症例のなかに,その剖検時に照射野外であった旁大動脈リンパ節(paraaortic Iymphnode以下Pa-Nと略)の腫大した転移巣に遭遇するという苦い経験がある。これはすでに放射線治療前に全骨盤腔照射野外のPa-Nへ癌が転移していた可能性のあることを示唆し,このような症例に対しては骨盤内照射だけでは不十分であり,Pa-Nに対する有効な照射で延命効果が計れるのではないかと考えられる。しかし,Pa-N転移の有無に関し,今日なお確実な情報は容易に得がたく,照射の適応や照射方法の選択などに未解決な面が多い。当科ではこのような進行子宮頸瘤症例に4年前よりPa-N照射を行なっているが,その適応の選択にあたってlym-phographyや試験開腹によるPa-Nの生検を行ない,2,3の知見を得たので報告し,さらに,進行子宮頸癌のPa-Nに対する当科の治療方針も紹介したい。
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