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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科34巻2号

1980年02月発行

文献概要

Modern Therapy 婦人科劇症の治療

婦人科癌(絨毛癌を除く)の劇症状態とその治療

著者: 笠松達弘1 園田隆彦1 松本よ志1 恒松隆一郎1

所属機関: 1国立がんセンター病院,婦人科

ページ範囲:P.107 - P.110

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 子宮頸癌など婦人科癌(絨毛癌を除く)で,劇症肝炎のごとく極めて早い速度で進展,悪化することはまれである。しかし,このような症例もときには経験する。たとえば子宮頸癌で,小量の性器出血をみて他院を受診し,異常なしと診断されたがその後も出血をみるので来院した症例がすでにⅢ期になっており,治療前検査をしているうちに上部尿路が急速に閉塞し,しかも原発巣が破壊して大出血を起こし,放射線治療を開始する間もなく死亡した症例を経験した。
 またある症例では,頸癌手術後の約7年は全く健康であったが,皮膚に小豆大の結節に気づいて来院し,それが頸癌の皮膚転移と判明し,化学療法を開始したばかりでほぼ全身的に転移巣が発生し,たとえば硬口蓋に出現した小さい転移巣が目にみえて増大して短時日のうちに鶏卵大となり,結局,小さな皮膚転移巣に気づいてから約3カ月で全身的な転移で死亡した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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