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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科34巻3号

1980年03月発行

Modern Therapy 不妊治療

無月経—乳汁漏出症候群

著者: 青野敏博1 小池浩司1 倉智博久1 倉智敬一1

所属機関: 1大阪大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.197 - P.200

文献概要

 近年血中prolactin (PRL)のradioimmunoassayによる測定が可能になり,無排卵症や不妊婦人に占める乳汁漏出性無月経症の意義が大きいことが明らかになってきた。
 最近2年間にわれわれの外来を訪れた無月経婦人を対象として血中PRL値を測定した成績によると1),表1に示したごとく,PRL値が25ng/ml以上の高PRL血症は,無月経または不妊を主訴とする207例中18例(8.7%)に認められ,そのうち17例に乳汁漏出が確認できた。一方乳汁漏出を主訴とする50例の無月経婦人では60%の症例に高PRL血症が認められ,これらを合計した257例の無月経患者のうち67例(27.1%)に乳汁漏出症を,48例(18.7%)に高PRL血症を認めた。このように無月経症例の約5人に1人は高PRL血症であるので,無排卵患者を診療するに先立って早期に乳房検査と血中PRL値の測定を行なうことが望まれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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