icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科34巻3号

1980年03月発行

Modern Therapy 不妊治療

心身症の面からの考察

著者: 長田宏1

所属機関: 1川崎市立川崎病院心療産婦人科

ページ範囲:P.219 - P.223

文献概要

 人類の先達たる古代人たちは「偉大な生命」を生みだす女性をどのように考えていたのであろうか。古代ギリシャの社会は一種の女系社会であり,新しい生命を誕生させる女性の生殖力,生産力を敬い,たたえる社会でもあったという。そこで不妊は女性の価値にまったく反するものとみなし離婚を強いられたともいう。
 一方日本においても封建社会にあっては「家」が社会機構の基盤であり「不妊」は大きな問題であった。貝原益軒はその著「女大学」に「七去三従」の教えを述べているが,すなわち家にあっては父,夫,子に従い,また父母に順ならず,子なき,淫,妒,悪疾,多言,盗の七つをもって離婚の対象としたのであった。しかも不妊はすべて女性(妻)の責任となり,男性(夫)は不問に付されていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら