文献詳細
文献概要
臨床メモ
hPLが検出されない正常妊娠
著者: 貝原学1
所属機関: 1東京大学医学部付属病院分院産婦人科
ページ範囲:P.223 - P.223
文献購入ページに移動 妊婦血中のhPL (human placen—tal lactogen)値は妊娠の経過とともに増量し,妊娠末期にピークに達する。このホルモンは胎盤で合成され,胎児の発育にとって必要な,いわば胎児の成長ホルモンとも考えられるものであるが,その生理的意義についてなお不明な点が多い。ところが最近,血中のhPL値が極端に低値か,あるいは全く検出されない妊娠でも正常な妊娠経過をたどり,正常な児を分娩した例が2例報告されており,hPLの生理的意義について興味ある問題を提供している。
最初の報告例は1978年にデンマークで経験された症例である。これは27歳の初産婦で,妊娠35週以降に血中hPLが測定されたが,その値は0.4〜O.6μg/mlと極端に低値を示した(正常値は5μg/ml以上)。それにもかかわらず,分娩予定日に3,800gの男児を経腟分娩したが,児には全く異常は認められず,胎盤の重量は620gで肉眼的にも組織学的にも正常であった。
最初の報告例は1978年にデンマークで経験された症例である。これは27歳の初産婦で,妊娠35週以降に血中hPLが測定されたが,その値は0.4〜O.6μg/mlと極端に低値を示した(正常値は5μg/ml以上)。それにもかかわらず,分娩予定日に3,800gの男児を経腟分娩したが,児には全く異常は認められず,胎盤の重量は620gで肉眼的にも組織学的にも正常であった。
掲載誌情報