文献詳細
臨床メモ
文献概要
変動性徐脈(variable decelerati—on)は胎児心拍数図上でしばしばみられる胎児心拍数減少パターンの一つで,全分娩数の約30パーセントに認められるといわれている。これは徐脈の発生と陣痛との間には一定の関係がなく,また心拍数減少の波形や振幅も種々に変化するという特徴を有するパターンである。多くの実験的ならびに臨床的な研究結果によって,変動性徐脈は臍帯の圧迫によって発生することが今日では定説となっている。しかし,分娩時の臍帯を観察すると,明らかに臍帯が圧迫されたと考えられる症例は変動性徐脈が認められた者の30〜65パーセントを占めるにすぎない。また逆に,臍帯巻絡があるにもかかわらず,変動性徐脈をきたしたものは60パーセントにすぎないと報告されており,変動性徐脈の発生原因として,臍帯以外の因子も考慮しなければならないことが示唆されている。
Goodline and Haesslein1)は分娩時に発生する徐脈について分析したが,種々の原因に基づく胎児の迷走神経中枢興奮性の徐脈が存在すると述べている。これらの原因として臍帯の圧迫によるもののほかに,胎児の伸吟(grunting)による気管内圧の上昇(胎児のvalsalva法),児頭の圧迫,母体の痙攣発作や嘔吐に基づく徐脈などがあげられている。
Goodline and Haesslein1)は分娩時に発生する徐脈について分析したが,種々の原因に基づく胎児の迷走神経中枢興奮性の徐脈が存在すると述べている。これらの原因として臍帯の圧迫によるもののほかに,胎児の伸吟(grunting)による気管内圧の上昇(胎児のvalsalva法),児頭の圧迫,母体の痙攣発作や嘔吐に基づく徐脈などがあげられている。
掲載誌情報