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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科34巻7号

1980年07月発行

Breast Feeding・4

泌乳のメカニズムと授乳のテクニック

著者: 澤田啓司1

所属機関: 1愛育病院,保健指導部

ページ範囲:P.554 - P.555

文献概要

 哺乳動物の乳腺がどの腺組織から分化してきたのか,その由来はまだはっきりわかってはいない。汗腺が機能変化をおこしたものという説と,皮脂腺に由来するという説とがある。
 乳房の組織の大部分は脂肪組織であり,その多少によって乳房の大小や形がきまる。丸い大きい乳房の形にどんな意義があるのかは,すでにこのシリーズの最初にのべた。乳汁の分泌と授乳に関わる組織の構造は図1のようである。乳汁を分泌する腺細胞の周囲には平滑筋があり,オキシトシンの作用で乳汁を乳管の中にそそぎこむ。乳頭近くには乳管洞という乳管のふくらんだ部分があり,ここに母乳が貯えられ,乳頭には括約筋があって母乳が外にもれださないようにしている。乳頭を乳児がくわえるとその刺激で乳頭の括約筋がゆるみ,乳腺で分泌された母乳は,オキシトシンの作用で収縮する腺細胞周囲の平滑筋の作用で乳管を通って乳頭へ送られ,勢いよくほとばしり出る(射乳反射)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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