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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科34巻8号

1980年08月発行

文献概要

Modern Therapy リプロダクション・エイジ--その発来と晩期をめぐって

更年期発来のメカニズム

著者: 東條伸平1 片山和明1 田中康則1 早藤雅也1 塩見種裕1

所属機関: 1神戸大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.601 - P.608

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 一般に「更年期climacterium」は性成熟期から老年期への移行の時期,すなわち生殖可能な時期から生殖不可能な時期への転換期,あるいは過渡期と定義されている。しかしながら,この時期がいつから始まりいつ終わるかという明確な定義はみあたらないし,現実に個々の婦人でこれを把握することも困難である。これに対し「閉経meno—pause」はヒトの一生で最後の月経と定義され(1stInternational Congress on Menopause 1976),更年期の一現象として明確にその中心に位置していると考えられている。したがってここではその意味をより明確にするため「更年期の発来機序」というよりは「閉経の発来機序」ということで話をすすめていく。
 いうまでもなく,閉経は卵巣機能の停止,あるいは著しい機能低下の結果として生じるものとしてとらえられており,その発来年齢はだいたい50〜51歳のあたりにある。しかしながら,閉経年齢を規定する因子,すなわち卵巣を機能停止に導く因子に関しては現在のところなお不明といっても過言ではない。ここでは,閉経を中心とした視床下部—下垂体—卵巣系の内分泌動態を自験的,文献的に検討するとともに閉経のもつ意味,その発来機序に関して現象論的な考察を試みたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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