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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科34巻9号

1980年09月発行

文献概要

臨床メモ

破水の新しい診断法

著者: 貝原学1

所属機関: 1東京大学付属分院,産婦人科

ページ範囲:P.725 - P.725

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 日常診療上しばしばみられる前期破水はきわめて重要な種々の問題を有している。特に問題となるのは破水後に発生する子宮内感染が児に及ぼす影響で,破水から分娩までに要する時間が長びくほど,児の罹病率や死亡率が増加することである。したがって,破水後には早期に適切な処置を行なうことが大切であるが,そのためには破水の有無を正確に診断することが必要である。しかし破水の診断は,予想以上にむずかしいことはわれわれがしばしば経験するところであり,よりよい診断法の開発が望まれてきた。
 従来より破水の診断法として種々の方法が用いられてきた。すなわちbrom thymol blue (BTB)やnitra—zineによって分泌物のpHを測定する方法,羊歯状結晶を証明する方法,acholest試験紙によって羊水中のcholinesteraseを証明する方法,胎児の毳毛あるいは脂肪球を証明する方法などである。しかしこれらの方法は,特に破水後長い時間が経過しているような症例に対しては無力となる場合が多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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