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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻1号

1981年01月発行

文献概要

トピックス

妊卵の行方—着床後消失のデータから

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.22 - P.22

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 産婦人科の臨床を長くやっていると,長い間不妊症で悩まされて来院した患者が,一回の内診後に妊娠したり,妊娠かと思っているうちに月経があらわれてしまったりで,妊孕現象は不思議である。排卵日ごろに明らかに性交をもち,妊娠かと心配してきた患者にも経過をみているうちに月経がきたと喜んでくる者もある。
 はたして自然の性交をしてどのくらい妊娠するのか,妊娠した場合,どのくらい妊娠末期まで持続するのかを知ることは興味ある点である。この点につきRobertsら1)はヒトの全妊娠の78%は消失しているといい,Claireaux2)やWarburtonら3)も全妊娠の2%が妊娠28週以降の周産期に死亡し,全妊娠の10〜25%は28週以前に自然流産すると報告しているように,全妊娠例のかなりの頻度が自然に流産しているものと思われる。しかし,われわれの日常診療において,妊娠と正確に判断されたものの50%以上が流産しているとは考えられない以上,流産しているとすれば妊娠初期の間に消滅していると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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