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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻1号

1981年01月発行

Modern Therapy リスク症例と手術

糖尿病と手術

著者: 足高善彦1

所属機関: 1神戸大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.23 - P.26

文献概要

 本邦における糖尿病の発生頻度は欧米に比較してはるかに少ないが,糖尿病治療法の進歩により患者の寿命は著しく延長しているし,一般外科的合併症としての糖尿病をもつ患者の数もふえつつある。子宮体癌患者に糖尿病,高血圧,肥満を合併する率が高いことは欧米では古くから知られており,体癌の3主徴(trias)と称されてきた。日本における食生活の変化や,激しい労働からの開放が体癌の増加に結びつくか否かは不明であるが,体癌のふえつつある国や人種では糖尿病や肥満もまた増加傾向を示すといわれている。
 婦人科手術における糖尿病患者のとり扱い方は一般外科におけるそれと差はない。かつては糖尿病患者の外科的合併症として,糖尿病性壊疽や,それに起因する感染症が主因をなしていた。インスリンの発見は手術成績を著しく向上させたが,依然として高頻度にこれらの術後合併症が発生していることを念頭において,慎重な術前,術後管理を要することに変わりはない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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