文献詳細
Modern Therapy 婦人科におけるダイナミックテスト
文献概要
腫瘍細胞のみに選択毒性を示す制癌剤を癌の臨床に供しえない現状では,癌の化学療法は副作用すなわち正常細胞への障害度と癌細胞に対する制癌剤の殺細胞効果とのバランスを考慮したうえに治療計画を設定することが治療効果を高めるためのアプローチであろう。したがって,制癌剤,腫瘍細胞,宿主3者間の相互関係1)(図1)を常に念頭においたうえで至適な投与法を決定する必要がある。
これまで,治療計画の設定において,腫瘍の組織型と薬剤感受性,制癌剤のbiochemicalな作用機序,宿主の病態生理面などの因子が検討されてきた。しかし,近年の細胞生物学や臨床薬理学の発展は,生体レベルでこれらをとらえ,腫瘍細胞の反応態度や制癌剤の効果を明らかにしつつあり,ダイナミックな治療効果の解析のうえに癌の化学療法を位置づけようとする考えが一般化しつつあるように思われる。そこで,このような腫瘍細胞の細胞分裂増殖周期,制癌剤の生体内分布とくに癌組織内濃度および副作用との関連で重要な造血細胞への影響を解析することをダイナミックテストとして位置づけ,癌の化学療法への応用の現状を述べたいと思う。
これまで,治療計画の設定において,腫瘍の組織型と薬剤感受性,制癌剤のbiochemicalな作用機序,宿主の病態生理面などの因子が検討されてきた。しかし,近年の細胞生物学や臨床薬理学の発展は,生体レベルでこれらをとらえ,腫瘍細胞の反応態度や制癌剤の効果を明らかにしつつあり,ダイナミックな治療効果の解析のうえに癌の化学療法を位置づけようとする考えが一般化しつつあるように思われる。そこで,このような腫瘍細胞の細胞分裂増殖周期,制癌剤の生体内分布とくに癌組織内濃度および副作用との関連で重要な造血細胞への影響を解析することをダイナミックテストとして位置づけ,癌の化学療法への応用の現状を述べたいと思う。
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