文献詳細
原著
子宮頸癌の組織型と予後—好銀細胞癌を中心に
著者: 井上武夫1 葛谷和夫1 西日出郎1 千原勤1 松山睦司2
所属機関: 1愛知県がんセンター病院 婦人科 2愛知県がんセンター研究所 超微形態学部
ページ範囲:P.745 - P.750
文献概要
われわれは788例の浸潤子宮頸癌手術例の検討から,頸癌組織型と予後との関連を解明し,小細胞癌が大細胞癌,角化癌,腺癌に比べ有意に予後不良であり,その原因がリンパ行性の転移率の差にあるのではなく,血行性転移頻度の差にあることを明らかにした。さらに,小細胞癌の16%に認めた好銀染色陽性癌が,好銀染色陰性小細胞癌に比し,有意に予後不良であることが判明した。これらの知見は,頸癌組織型分類が,放射線治療患者の予後追跡に限らず,手術治療患者の予後追跡にも有用であることを示すものである。
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