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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻11号

1981年11月発行

文献概要

Modern Therapy 母乳

乳汁分泌促進の実際

著者: 青野敏博1 林田美代子1 小泉清1 倉智敬一1

所属機関: 1大阪大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.815 - P.820

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 産褥期に母乳が十分分泌され,母乳で哺育することは自然の姿であり,人工栄養に比し種々の利点が認められている。その主なものは 1)栄養成分の組成が理想的であり,牛乳の場合にみられるアレルギー症状を起こさず, 2)抗体が含まれているので乳児の病気に対する抵抗性が強くなり,死亡率が低く, 3)母児のスキンシップが保てるので,母親の愛情をはぐくみ,乳児の精神情緒的発達によく, 4)哺育は簡便で,衛生的でかつ経済的であり, 5)哺乳刺激は子宮復古を促進し,排卵が回復するのを遅らせる,などである。
 世界的には1974年にWHOとUNが母乳化を推奨し,わが国でも1975年から厚生省が中心となって母乳化運動を行なっており,近年徐々に母乳栄養の率が上昇している1)(表1)。1981年3月にはFIGOから母乳化促進のための具体的な勧告が出されている(本号822頁参照)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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