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Modern Therapy Modern Therapyの反省
ホルモン療法の功罪
著者: 五十嵐正雄1
所属機関: 1群馬大学医学部産科婦人科
ページ範囲:P.869 - P.871
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最近のホルモン剤はかなり強力であり,だいたい所期の目的を達成できる,と同時に副作用もかなり起こりうる。なぜ副作用が起こるかというと,最近の知見によるとホルモンの効果は,標的器官(target organ)の細胞膜あるいは細胞体や核にある受容体(receptor)とホルモンとが結合することによって発揮される。ところが受容体は末梢の各種標的器官にあると同時に,中枢の視床下部や下垂体前葉にもあり,従って例えばestrogenや黄体ホルモンを投与するとその結果negative feed back効果が現れて,FSH,LHが減少し,結果として性腺機能の低下となってくることが多い。これは1例であるが,receptorが広く存在するために効果のほかに副作用が起こるわけである。
最近のホルモン剤はかなり強力であり,だいたい所期の目的を達成できる,と同時に副作用もかなり起こりうる。なぜ副作用が起こるかというと,最近の知見によるとホルモンの効果は,標的器官(target organ)の細胞膜あるいは細胞体や核にある受容体(receptor)とホルモンとが結合することによって発揮される。ところが受容体は末梢の各種標的器官にあると同時に,中枢の視床下部や下垂体前葉にもあり,従って例えばestrogenや黄体ホルモンを投与するとその結果negative feed back効果が現れて,FSH,LHが減少し,結果として性腺機能の低下となってくることが多い。これは1例であるが,receptorが広く存在するために効果のほかに副作用が起こるわけである。
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