icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻12号

1981年12月発行

文献概要

Modern Therapy Modern Therapyの反省

ホルモン療法の功罪

著者: 五十嵐正雄1

所属機関: 1群馬大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.869 - P.871

文献購入ページに移動
 私に与えられたテーマはホルモン療法の功罪であるが,ホルモン療法の効果については衆知のことなので,本論文では主として副作用について考えることにする。
 最近のホルモン剤はかなり強力であり,だいたい所期の目的を達成できる,と同時に副作用もかなり起こりうる。なぜ副作用が起こるかというと,最近の知見によるとホルモンの効果は,標的器官(target organ)の細胞膜あるいは細胞体や核にある受容体(receptor)とホルモンとが結合することによって発揮される。ところが受容体は末梢の各種標的器官にあると同時に,中枢の視床下部や下垂体前葉にもあり,従って例えばestrogenや黄体ホルモンを投与するとその結果negative feed back効果が現れて,FSH,LHが減少し,結果として性腺機能の低下となってくることが多い。これは1例であるが,receptorが広く存在するために効果のほかに副作用が起こるわけである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?