icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻12号

1981年12月発行

臨床メモ

妊娠糖尿病とHemoglobin A1c.

著者: 佐藤直樹1

所属機関: 1峯クリニック

ページ範囲:P.878 - P.878

文献概要

 糖尿病妊婦では,妊娠中毒症を始めとする種々の合併症が発症しやすく,また,糖尿病母体から出生した児は,奇型,RDS,低血糖などの合併症が多く出現し,児の周産期死亡率の増加がみられるところからhigh risk妊娠として管理される。しかし大部分の患者は,妊娠してから糖尿病のcontrolをうける場合が多いが,合併症を低率にするためには妊娠前から糖尿病のcontrolをうけることの方が大切である。
 最近,糖尿病患者の過去のcontrol状態を知る指標として,ヘモグロビンの中のGlycohemoglobinが測定されるようになった。赤血球ヘモグロビン中のGlycohemoglobin (Hb—A1c)は,正常人では全Hbの約5%を占めるが,糖尿病患者では,正常人に比べ2〜3倍増加し,しかも一度glycosylatinされたHbA1cは赤血球平均寿命の120日間飽和状態にあるので,HbA1c値は過去1〜2ケ月の血糖積分値と相関すると考えられている。すなわち,過去1〜2ケ月間,血糖値がどれだけcontrolされていたかを知る指標となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら