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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻2号

1981年02月発行

Modern Therapy リスク症例と分娩

糖尿病妊産婦の管理

著者: 杉山陽一1 小塚良允1

所属機関: 1三重大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.95 - P.98

文献概要

 妊娠がdiabetogenic factorの一つであることは,衆知の事実である。実際妊娠中には,尿糖の出現頻度は高率であり,また偶然糖尿病が発見されることもある。また糖尿病を含む糖代謝異常婦人が妊娠した際には,しばしば臨床病像の増悪傾向がみられる。一方,糖尿病妊婦では,妊娠中毒症をはじめとする種々の合併症が発症しやすく,児の周産期死亡率の増加もみられるところからhigh risk pregnancy,high risk babyとして,その妊婦管理をめぐる諸問題について今日まで多くの報告がみられている。
 妊娠時には,性steroid hormoneの著しい増量,胎盤からのpolypeptide hormoneの多量分泌をはじめとして著明な内分泌動態の変化がみられている。また胎児の急激な発育に伴う蛋白質,糖質,脂質および無機質などの物質代謝の亢進がみられており,非妊時に比べると代謝変調の程度が増強している。特に糖尿病を合併した妊婦ではその代謝環境も変化しやすく,妊娠,分娩に際して種々の異常を惹起しやすい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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