icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻2号

1981年02月発行

Modern Therapy リスク症例と分娩

体質・体型異常と分娩

著者: 福島穣1

所属機関: 1名古屋保健衛生大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.99 - P.103

文献概要

 体質異常を伴う妊婦に遭遇する機会は,決して多くはないが,アレルギー性疾患の代表と見做される気管支喘息例の頻度は割と高い。
 器官形成期を過ぎた妊婦の取扱いは,内科専門医との共同管理で充分対応できるので本稿では触れない。枯草熱を含む鼻アレルギーは「くしゃみ」,眼瞼周辺部皮膚掻痒,水様性鼻汁,鼻閉などを主訴とする頑固な疾患ではあるが分娩自体には深刻な影響をもたらすものではなく,Polaramin復効錠(1錠6mgを1回量として1日2〜3回内服),Pyribenzamine (1錠50mgを1回量として1日2〜3回内服),Intal (1カプセル20mgを1回量として朝,昼,夜及び就寝前の4回吸入器を用いて鼻腔内噴霧)などの対症療法で充分な場合が殆んどであるが,耳鼻咽喉科の専門医と協議し特異的減感作療法を根気よく行なう場合もある。von Recklinghausen氏病(汎発性神経線維腫症)の場合,単一の優性遺伝子による発症が想定されているので,本来妊娠自体が望ましいものではなく,諸家の報告でも自然流産や死産が多いとされているが,母体においても妊娠による症状の増悪が起こり易い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら