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モルヒネの硬膜外注入法
著者: 田部井徹1
所属機関: 1自衛隊中央病院産婦人科
ページ範囲:P.111 - P.111
文献購入ページに移動 最近,モルヒネなどの麻薬性鎮痛剤の受容体(opiate receptor)が中枢神経組織ばかりでなく脊髄後角にも存在することが判明し,さらにモルヒネのくも膜下腔への注入が極めて強力な鎮痛作用を示すことが証明された。以後,臨床においてもモルヒネのくも膜下腔注入法1,2),および硬膜外注入法3,4)が麻酔補助,術後鎮痛あるいは癌性疼痛の緩和などに応用されてきた。上記いずれの方法も全身投与に比べて微量の薬剤により確実な鎮痛効果が長時間にわたって得られ,循環呼吸器系に及ぼす影響は少ない。硬膜外に投与されたモルヒネは,くも膜下腔に移行して鎮痛効果を示すと考えられている。くも膜下腔への注入は硬膜外に比べて感染,脊髄液の漏出あるいは脊髄損傷などの危険を伴うため長期間の持続的な投与には硬膜外注入を行なうことが多い。
Beharら3)による硬膜外へのモルヒネ投与は,塩酸モルヒネ2mgを10mlの生理食水で稀釈して注入するのが原則であるが,最近では数mgを使用することがあり,投与量に関して一定していない。
Beharら3)による硬膜外へのモルヒネ投与は,塩酸モルヒネ2mgを10mlの生理食水で稀釈して注入するのが原則であるが,最近では数mgを使用することがあり,投与量に関して一定していない。
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