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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻6号

1981年06月発行

トピックス

羊水中に存在するCatecholamines

著者: 田部井徹1

所属機関: 1自衛隊中央病院,産婦人科

ページ範囲:P.463 - P.463

文献概要

 生体内に存在するCatecholaminesの主なものは,dopamine,epineph—rineおよびnorepinephrineである。これらのCatecholaminesは交感神経あるいは副腎髄質系のクロム親和細胞内で血中のtyrosineより生成される。分泌されたCatechol—aminesは心,筋,血管系あるいは脳神経系に局在するαあるいはβ受容体と結合してその生理作用が発現する。またcyclic AMPを介して糖質脂質代謝にも関与している。
 妊娠中におけるCatecholamines様物質の存在は,1960年Hunter &Howard1)が羊水中に昇圧作用を有する物質の存在を示唆しhytero—toninと呼んだのが最初の報告である。以後1970年Zuspan & Abbott2)がヒト羊水中のepinephrineとnore—pinephrineの存在を生化学的に立証した。Woodmanら3)は,羊水中のnorepinephrine濃度がepinephrine濃度より3倍以上高いことを認めた。Saarikoski4)は,母体のCate-cholaminesは,胎盤内の代謝が活発で不活性化されるため胎児側への通過性はないと述べている。さらに臍帯動脈血中のCatecholamines濃度は臍帯静脈血中に比べ高値である5)。従って羊水中に存在するCa-techolaminesは胎児内で生成されていることが示唆される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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