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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻7号

1981年07月発行

トピックス

妊娠初期の合成Gestagen投与は児の行動を攻撃的にする

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.487 - P.487

文献概要

 胎生初期に性腺ホルモンの欠如や存在していることが,その後の性行動に影響することがすでに知られてきている。すなわち多くの哺乳動物では染色体上の性のいかんにかかわらず,成熟してから雄の性行動を示すには胎生初期のandrogenの刺激が重要であり,一方,この胎生初期の段階で性腺ホルモンの欠如が雌の性行動を示すといわれている。また齧歯類を中心とした研究によると,胎生初期に性腺ホルモンにさらされたものに,成熟してからandrogenを投与すると強い攻撃的な行動を示すことが明らかにされている1)。このように攻撃的な行動は人間を含んだ哺乳動物では雌に比して雄により強く観察される所見である。
 最近30年間の問に,切迫流産の診断のもとに何百万人という妊婦が黄体ホルモン剤や卵胞ホルモン剤の投与をうけたと推定されている2)。この際,妊娠初期の妊婦に合成gesta—genが投与されると,このような妊婦から生まれた女児の約18%に,性器の男性様変化を生ずることが報告されている3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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