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Modern Therapy 卵巣の手術 特集コメント
安易な付属器摘除への批判,残存部から発生する悪性腫瘍および中間群などをめぐって
著者: 須川佶 蜂屋祥一
所属機関:
ページ範囲:P.519 - P.519
文献購入ページに移動 第3回産婦人科手術研究会は,下村虎男博士(大阪)の御世話で「卵巣腫瘍の手術」をテーマとして行なわれた。日常極めて一般的な疾患として取り扱われている症例の手術に関し,学問的な立場よりの再検討が加えられ,また専門的立場よりの問題提起と,患者への対応の再認識が強く聴衆の胸に刻まれたことと思う。
良性腫瘍についての話題提供は,東條伸平教授(神戸大学)よりなされたが,臨床内分泌学研究者としての立場から,卵巣機能の評価を,とくに更年期周辺の問題として取り上げられ,過去安易に行なわれてきた付属器摘除に対する強い批判が加えられた。学問研究を基盤とした理論的手術のあり方は,単に卵巣腫瘍の手術に留まらず,手術を学問としてまた医学そのものとしてとらえねばならないことを強く印象づけた。討論の中心はやはり残存卵巣より発生する悪性腫瘍をめぐっての問題であった。内分泌学と腫瘍学の両観点からの意見の交換のなかで,患者の側よりみた"社会学的問題"も浮き彫りされ,臨床医学のあるべき姿を各自の胸に刻み込み,それぞれの責任で結論を出すことにした。
良性腫瘍についての話題提供は,東條伸平教授(神戸大学)よりなされたが,臨床内分泌学研究者としての立場から,卵巣機能の評価を,とくに更年期周辺の問題として取り上げられ,過去安易に行なわれてきた付属器摘除に対する強い批判が加えられた。学問研究を基盤とした理論的手術のあり方は,単に卵巣腫瘍の手術に留まらず,手術を学問としてまた医学そのものとしてとらえねばならないことを強く印象づけた。討論の中心はやはり残存卵巣より発生する悪性腫瘍をめぐっての問題であった。内分泌学と腫瘍学の両観点からの意見の交換のなかで,患者の側よりみた"社会学的問題"も浮き彫りされ,臨床医学のあるべき姿を各自の胸に刻み込み,それぞれの責任で結論を出すことにした。
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