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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科35巻7号

1981年07月発行

文献概要

症例

術後組織によって診断された莢膜細胞腫の1例

著者: 高橋健太郎1 松井克明2 村尾文規3 松永功3 北尾学3

所属機関: 1鳥取大学医学部第2生理学教室 2鳥取大学医学部第1病理学教室 3島根医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.531 - P.534

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 卵巣は,一臓器で多種類の腫瘍が発生するために,その術前診断は困難な場合が多い。卵巣腫瘍の分類には,組織発生によるもの1),または良性,悪性による分け方(表1)2),嚢胞性,充実性による分類法など種々ある。われわれが今回経験した莢膜細胞腫は,組織発生による分類においては,性腺間質系種瘍の女性細胞型腫瘍に属するものであり,顆粒膜細胞腫,顆粒膜・間質細胞腫と同属に分類されている。また本腫瘍は充実性腫瘍であり,さらに良性群に属する腫瘍でもある。
 ちなみに卵巣腫瘍において充実性腫瘍と嚢胞性腫瘍との頻度は,表1のように日産婦卵巣腫瘍登録委員会(1961〜1975年度)によると約1:5であり,充実性腫瘍のうちでも約85%は中間群および悪性群であり,約15%が良性群である。このような充実性腫瘍の頻度で,かつ良性腫瘍であるものは比較的まれである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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