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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻10号

1982年10月発行

臨床医のプライマリ・ケア 産婦人科プライマリ・ケアの背景

環境因子(感染)—ヘルペスウイルスと発癌

著者: 川名尚1

所属機関: 1東京大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.753 - P.756

文献概要

 ヘルペスウイルス感染と発癌とくに子宮頸癌の問題を,プライマリ・ケアの立場から論ぜよというのが編集委員会の御要望と思うが,現在のところ,御要望に十分答えられるデータはまだないといってよい。確かにヒトに感染するヘルペスウイルス群のウイルスには,癌との関連性が示唆されている。その最も有名なものが,EBウイルスとバーキットリンパ腫である。その他,本稿の主題であるヘルペスウイルスと子宮頸癌,サイトメガロウイルスと大腸癌や前立腺癌などである。ヘルペスウイルス群の特長の一つは,初感染後,潜伏感染に移行することである。潜伏感染しているウイルスが,何らかの契機に再活性化し,生体に影響を与えるが,発癌という変化に具体的にどのような形で関連しているかは,不明のことが多い。そこで,本稿では,最初にヘルペスウイルス感染について,産婦人科的な立場からのべ,子宮頸癌との関連性について触れて,責を果たしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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