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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻11号

1982年11月発行

文献概要

臨床医のプライマリ・ケア 母と子のプライマリ・ケア--母子相関をめぐって 胎児期の母子相関

胎動にはじまる母児相互関係—超音波による胎動の解析

著者: 坂元正一1 上妻志郎1 水野正彦1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.795 - P.799

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 出生直後の母子関係—the mother-newborn rela—tionship—が小児期及びそれ以降の人格形成に重要な役割を果たすことが注目されている。互いに働きかけ,相手からの反応を受け取ることにより,母親は母性を発達させ,新生児は自己を形成していく。このような母子相互作用は出生後に始まるものなのだろうか。
 母親は妊娠することにより,体調に変化が現われることに気付くが,胎動を感ずることにより始めて自己の内に新らたな生命が存在することを認識する。胎動は胎児の母親に対する働きかけであると考えられ,胎児は胎動により自己の存在を母親に告げ,母親はそれにより胎児に対する愛情を育む。胎動はそのような意味で,胎児期における母子関係の媒体として重要な役割を果していると言える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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