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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻11号

1982年11月発行

原著

子宮癌治療後の下肢浮腫例に対する骨盤静脈造影の意義

著者: 荻野雅弘1 荒井清1 冲永荘一1 植田国昭2 小出保爾2 高野敦2 村上章2 園田稔2 林雅敏2 松田忠義3 竹川鉦一3 鈴木謙三3 高橋元一郎3

所属機関: 1帝京大学医学部産婦人科 2駒込病院婦人科 3駒込病院放射線科

ページ範囲:P.849 - P.852

文献概要

 今日,婦人科領域における骨盤,血管造影法(Pelvic Angiography)は破奇,絨腫,卵巣腫瘍などの診断の目的で行なわれる動脈造影法1,2)(Pelvic Arteviography)が大部分を占めており,静脈造影の意義は薄れてしまい臨床的価値が十分に評価されていないと思われる。後腹膜リンパ節転移を起こすことの多い子宮頸癌,子宮体癌などの診断の際に従来内診が主として行なわれたが内診範囲に限界があるため進行度や再発の有無の判定のため補助診断法の開発に努力がそそがれてきた。脈管造影法やリンパ管造影法,さらに最近のCTなどがそれである。骨盤静脈造影法(Pelvic Venography以下PVGと略)は,血栓症などの血管内病変や後腹膜腫瘍,リンパ節腫大などの病変を知る間接的な診断法の一つであり,Lymphography,CTと共に不可欠な診断法と考えられる。
 著者らは,子宮癌治療後のfollow up中に下肢の腫脹や疼痛を来たした症例に対しPVGを施行し2,3の興味深い知見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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