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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻12号

1982年12月発行

原著

卵管腺筋症(tubal adenomyosis)とSalpingitis isthmica nodosaとの関係についての一考察

著者: 須藤寛人1 古谷元康1 小幡憲郎1 竹内正七1 阿久津正2 後藤司郎2

所属機関: 1新潟大学医学部産科婦人科教室 2済生会新潟総合病院産科婦人科

ページ範囲:P.905 - P.908

文献概要

 日常の不妊診療において,不妊症の原因が卵管因子によると疑われる症例は数多い。子宮卵管造影術(以下HSGと略)によって各種のタイプの卵管閉塞像が発見され,卵管因子による不妊が診断される。子宮卵管結合部(uterotubal junction)から卵管が全く造影されない卵管閉鎖例の原因についてみてみると,結核性・非結核性の慢性卵管炎の治癒過程として生じた卵管閉鎖が代表的なものとしてあげられる。その他の原因として,機能性閉鎖,外性子宮内膜症,卵管間質部周囲に発生した子宮筋腫などがあげられる。
 本論文において,著者らは,HSG上で片側卵管閉鎖を認めた症例が,手術時いわゆる結節性卵管炎(salping—itis isthmica nodosa;SIN)と診断され,さらに術後病理学的に卵管狭部に発生した腺筋症(tubal adenomyo—sis)と診断された症例を経験したので,SINとtubal adenomyosisとの関係について,内外の文献を渉猟し一考察を試みた。本症は不妊症の診療,治療上に重要性をもつと考えられるのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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