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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻4号

1982年04月発行

臨床医のプライマリ・ケア 妊娠・分娩とプライマリ・ケア

母子同室への試み

著者: 古橋信晃1

所属機関: 1東北大学医学部産科学婦人科学教室

ページ範囲:P.301 - P.304

文献概要

 欧米では,新生児は従来の全く受身的な未分化の存在から,社会的反応性をもった1個の独立した社会的な存在として認識されていた。さらに近年のNICUの発達に伴い,親子関係不適合の代表的疾患である被虐待児症候群battered child syndro—me1)などの出現は,一層,周産期の母子関係の確立が必要であることが認識される要因となっている。最近,わが国においても周産期における母子相互作用について関心が寄せられるようになり,これまでの新生児医療は医療従事者の便宜にのみ依存した診療内容であったこと,さらに新生児の身体的異常の治療のみが重視されていたことなどに対しての反省がなされ,母子関係の確立に種々の工夫がなされるようになった。そのなかの一つに母子同室制がある。母子同室・異室についての議論は以前よりあったが,母子結合の確立という点では,母子同室にまさるものはないと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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