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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻5号

1982年05月発行

臨床医のプライマリ・ケア 周産期とプライマリ・ケア

母と子のきずなの形成—アタッチメントの発達の起源

著者: 小嶋謙四郎1

所属機関: 1早稲田大学文学部心理学科

ページ範囲:P.366 - P.369

文献概要

 ある人間と他の特定の人間との問に形成される愛情のきずなをアタッチメントとよぶ。子どもと母親のアタッチメント関係は,子どもの,母親へのきずなの発達と,母親の,子どもへのきずなの形成の二つの側面をもっているが,両者は相互に補完しあっている。そこでは子どもの成熟の度合いや学習の進度が,母親の子どもへの働きかけの量や性質に影響を与え,また,子どもの自発的行動に対する母親の感度のよさや応答性が相互作用に効果をもたらし,発達とともに母子の相互作用は変容してゆく。一般に母子のアタッチメント関係は,子どもの,母親へのきずなの発達がほぼ実現した生後一年から一年半の間に達成する。
 安定した母子アタッチメント関係は,子どものパーソナリティの正常で健康な発達の基礎であり,その安定したきずなが外界を知的に探索する安全基地として役立ち,安らぎの源泉として機能する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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