icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻5号

1982年05月発行

臨床医のプライマリ・ケア 周産期とプライマリ・ケア

胎児奇形をどうするか

著者: 大浜紘三1

所属機関: 1広島大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.375 - P.379

文献概要

 人は誰でも皆等しく身心ともに健全な児の出生を強く願っており,分娩を終えた母親の多くがまず最初に,児が五体満足で出生したか否かを尋ねるのも,けだし当然といえよう。それだけに児に奇形を認めた場合には出産の喜びは一転し,産婦だけでなく家族全員が悲しい思いにつつまれ,産科医や助産婦にとってもやり切れない気持となる。特に第1子が奇形児である場合には問題は一層深刻で,次回妊娠に対して極度の恐怖を抱く者もみられ,産科医はそのような患者に対して十分な遺伝相談を行なう必要に迫られる。
 しかし,奇形の発生原因は一様でなく,しかも多くの場合その原因究明は不可能であり,そのため次回の妊娠に関して患者が十分納得するような助言を与え得ないこともしばしばである。さらに胎児奇形の出生前診断の限界という問題や,異常と診断された児にどう対処するかという問題など,なお未解決の問題も少なくなく,本題の「胎児奇形をどうするか」という課題に対して必ずしも統一された見解が示されている訳ではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら