文献詳細
文献概要
臨床医のプライマリ・ケア オンコロジー
機能性腫瘍にあらわれる症状の特徴
著者: 西村隆一郎1 足高善彦1 東條伸平2
所属機関: 1神戸大学医学部産科婦人科学教室 2京都大学医学部婦人科産科学教室
ページ範囲:P.526 - P.529
文献購入ページに移動一方,腫瘍,特に癌腫において産生されるホルモンの生成モードや性質が正常時のそれと異なるか否かは重要な点である。たとえば異所性に産生されるホルモンのほとんどは蛋白性ホルモンで,腫瘍性のACTH,β—MSH,hCGなどが検討されてはいるが,現在のところ,それらの蛋白構造上の変化を明確に証明したものはない。著者らは絨毛癌患者の尿中にその末端糖であるシアル酸を欠如したasialo-hCGをみいだしたことより,絨毛細胞の癌化はhCGの転写過程よりもむしろその糖付加過程に影響を及ぼすのではないかと推定している。
掲載誌情報